「天気の子」の話

新海誠監督の最新作「天気の子」を金曜日の公開日に渋谷TOHOシネマズ朝9:00からの回でを見てきました。 「君の名は。」で一気に有名な監督になってしまい、舞台挨拶の回のチケットが取れなくなってしまったのは残念なところ。

今回は「子供が気持ちいいくらいにワガママを突き通し、まわりの素敵な大人達がそれを全力で支える」お話しだなあと感じました。 ずっと実年齢より精神年齢の方が高いキャラクターを主役クラスに置く傾向があったので、なかなか新鮮でした。

何か一つ大きな事件を乗り越えて、一回り成長した自分が現状を前向きに受け入れる、というエンディングは、 「彼女と彼女の猫」「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」あたりでも描いていた新海監督の普遍的なテーマで、 過去作品に比べてそれがもの凄く伝わりやすかったんじゃないかなと思います。 新海監督、過去作のフィードバックを受けて貪欲に作品をリファインしていく姿勢が本当に凄いなあと思いました。

過去作ファンのためのファンサービスも旺盛で、妥協せずにあらゆる人に楽しんで貰おうと思って作られてるんだなあと感じました。 新海監督の作品は、作品そのものの出来もそうなんですが、それを通して見える監督の作り手としての姿勢が本当に好きで。

ところで、新海監督の描く都会の景色(主に新宿)が本当に綺麗なのはいつものことなのですが、 今回凄いなと思ったのは映画を見終わって現実に戻り、劇中で描かれた場所と同じ風景を目にしたとき、それがめちゃくちゃ美しかったんですよ。

過去のトークショーで新海監督は「自分が辛いときに街の景色に励まされた」と言い、それを積極的に描く理由の一つとして挙げていました。 それが劇中の絵を通して共感を呼び、実際にその景色を自分の目で見たときに、同じように美しいと思えるようになってきたんです。 改めて共感を呼ぶ力が本当に強いなと感じた出来事でした。

また何回か見に行きたいですね。 複数回見ても、見るたびにいつも新しい発見があるので。