技術書典7に参加した話

去る9/22に行われた技術書典にサークルとして参加してきました。 「Webサービスをささえる運用設計」という本をなんとか間に合わせて頒布しました。

今回、この手の同人誌即売会に初めて参加すると言うことで、まずは一通り一人で全部やってみようと試みました。 表紙のデザインとかを他の人にお願いするということも考えたのですが、どういった作業プロセスがあるのかを把握しておきたいのと、 単に本の装丁をやったことがなかったので、チャレンジしてみたいという気持ちがありました。 最初にやるときはまず一人で全部やってみたいと思うのは、多分敬愛する新海誠さんの影響だろうなあ、と。

サークル参加しようと思ったきっかけは4月に参加したRubyKaigiで、スポンサーブースを見て回ったときに色んな会社さんが技術同人誌を置いていたのを見て、 なんとなくエンジニアのポートフォリオとして技術同人誌の一冊でも書く時代なのかなあと思ったことが発端です。 もちろんそれだけでなく、もうちょっと自分の考えていることや持っている知識をアウトプットしたいという気持ちもありましたし、 単に本を作るということに憧れがあったということもあります。

そんなこんなで技術書典7に勢いでサークル参加の申込を行い、うっかり当選してしまって退路を塞がれてしまったので、 技術同人誌の執筆にとりかかることになったのでした。

テーマについては色々候補があり、自分の趣味に走っても良かったのですが、 ちょうど会社でWebサービスの運用コストや難易度をどうやって下げるかという話をいろいろな人にしていたタイミングだったので、 その内容を本にまとめようと思い、今回の本の執筆に至ることになりました。

本のタイトルに「運用設計」とあるとおり、伝えたいことは「Webサービスの運用をちゃんと行うためにはどんな環境を構築すればいいか」でした。 とはいえ、初めての人でも実際に手を動かして試せるよう座学よりは実践的な内容にしようと思いました。 今から考えるとちょっと実践によりすぎて、初心者向けのWebサービス環境構築入門っぽい本になってしまいました。 もうちょっと「何故そのような環境を構築する必要があるのか」ということを深掘りできればよかったなあと思っています。

とはいえ、運用にまつわる面倒なあれこれを様々なサービスを利用することで構築・運用コストを大幅に下げ、 環境の質を大幅に上げるプラクティスとしてはそれなりによく書けたんじゃないかなあと思っています。

本の印刷は日光企画さんに依頼しました。 オフセット本の印刷など初めての経験だったので色々知らないことや戸惑うことも多かったですが、 特に印刷会社さんに怒られることも無く無事に入稿完了しました。 表紙の加工の種類とか背表紙をどうやって作るか等、全然知らなかったのでいい勉強になりました。

技術書典当日ですが、事前に色んな人から「売り子さんは絶対に自分以外にもう一人用意しておいた方がいい」と言われていたのですが、 パッと頼めるアテも思いつかず、結局ソロ参加しました。 15時くらいには人が少なくなって、ちょっとくらいブースに人が居なくても大丈夫だろうと見込んでいたのですが、 実際には人が切れるタイミングが全くなく、結局開始から終了までずっとブースで立ちっぱなしで対応していました。 体力的には平気だったのですが、知り合いのブースに挨拶と買い物に行けなかったのはちょっと残念でした。 特に向こう側からはわざわざ買いに来てくれたりもしてたので、その辺りはちょっと不義理だったかなあと反省しています。

最終的には赤字にならない程度に頒布することができて良かったです。 実際に手に取ってくれる方の対応をしていると、赤字黒字と言うよりも買ってくれた方がたくさんいるという事実が嬉しかったです。 本1冊買ってもらうことがこれほど嬉しいとは参加前には想像していませんでした。 少しでも買ってくれた方のお役に立てると嬉しいです。

バタバタしていて12月の技書博には申し込み損ねたのですが、そこそこ在庫があるのでまたどこかの同人誌即売会に参加できればいいなと思っています。 次はもうちょっと趣味に走った本を書くか、運用系の深掘りした本を書くか、色々悩ましいところです。

改めて、「Webサービスをささえる運用設計」を手に取ってくれた方、当日遊びに来てくれた方、色々お手伝いをしてくれた方に感謝です。 次の機会がありましたら、またよろしくお願いします!